こんにちは!浅水です。
今回は、デザインにおける「文字のカーニング」についてお話しします。 皆さんはカーニングという言葉をご存知ですか?
カーニングとは、文字同士の間隔を調整する作業のことで、タイポグラフィやレイアウトの完成度を大きく左右する重要なポイントです。
デザイナーが決して避けては通れないこの作業。ノンデザイナーの方も少し意識するだけで、見栄えを変えることができますよ!
カーニングとは?
カーニングは、隣り合う文字の間隔を調整するプロセスのことです。 例えば、「A」と「V」など、文字の形状によっては自然に間隔が広く見える場合があります。 そのようなとき、間隔を詰めることで文字列全体がバランスよく見えるようにするのがカーニングの役割です。
カーニングの重要性
では、なぜカーニングが必要なのか?
カーニングを調整することの目的を、ここで明確にしたいと思います。
1. 視認性の向上
適切なカーニングを行うことで、文字が読みやすくなり、メッセージが正確に伝わります。 間隔が不均一だと、読者は「読みにくい」というストレスを無意識に感じてしまい、文章を読むこと自体避けてしまう可能性もあります。
2. デザインの質の向上
カーニングが整ったデザインは、よりプロフェッショナルな印象を与えます。
信頼感や洗練感が大事なデザインでは必須の工程と言えるでしょう。
特に、ロゴや見出しなど目立つ部分では、ほんのわずかな調整が全体の印象を大きく変えます。
3. ブランディングへの影響
ブランドデザインにおいては、一貫性が求められます。
カーニングの方針を統一することで、ブランドメッセージの信頼感や統一感を高めることができます。
カーニングを調整する際のポイント
では、実際にカーニングを実践する前に、理解しておきたいポイントを確認しましょう。
1. フォント特性を理解する
フォントによって文字の形状やベースラインが異なるため、カーニングの調整方法も異なります。
特に、手書き風フォントや装飾的なフォントは、より丁寧な調整が必要です。
逆に、打ち込んだだけである程度カーニングが整えて見えるフォントも存在します。
2. 小さな違和感に注意する
デザインに慣れてくると、文字間隔の違和感が「感覚的に」わかるようになります。
作り手側も人間なら、読み手側も人間。
機械的な数値より自分の目と感覚を信じて、微調整を繰り返しましょう。
実践例:ビフォーアフターで学ぶカーニング
こちらは、既存フォントでただ文字を打ち込んだ場合の画像です。
赤で示した部分の字間のバラつきが気になります。
特に数字・漢字・記号など種の違う文字が並ぶと、不自然な字間になってしまうことがほとんどです。
また、「ー(伸ばし棒)」の記号は、ただ打ち込むと間延びした印象を与えてしまいます。
今回はカーニングに関する講座ですので詳細は割愛しますが、こういった場合は文字の横幅比率を85〜90%に設定して調整します
こちらは、Adobe Illustratorの文字ウィンドウの操作画面です。
「V/A」のような記号の部分で、自動カーニング調整機能を呼び出すことができます。
それぞれの自動調整機能を適用した場合の例がこちら。
「メトリクス」はフォント内で指定された情報を元にしたカーニング、
「オプティカル」はIllustratorのソフト側で文字の形を自動で判断し行われるカーニング、
「和文等幅」は文字を同じ正方形の枠に当てはめ並べたいわゆるベタ組みの状態を指します。
基本的には全て「メトリクス」もしくは「オプティカル」を指定すると良いでしょう。
ただし、これらはあくまで機械的に組まれたカーニングですので、
ここからさらに人間の目で調整する必要があります。
Illustratorでは「Option」+「←→キー」のショートカットで一文字ずつ字間を調整することができます。
こちらが最終的に全ての字間を調整したものです。
最初のものと比べると、視認性が上がり洗練された印象になりました。
目がすべることなくスッと伝わりやすい文字情報になったかと思います。
まとめ
文字のカーニングは、見た目の美しさだけでなく、メッセージの伝わり方やブランドの印象に直結する重要な要素です。 これを機会に、日常で作る資料や制作物においても意識してみてはいかがでしょうか。
また、弊社では文字をメインとした資料制作などのデザインも承っております。
自分ではそこまで時間をかけられない!という時は、いつでもご相談ください。