
あけましておめでとうございます!浅水です。
2025年に突入ということで、今回は「2025年のデザイントレンド」についてお話しします。
今年注目されるデザイントレンドを7つに分け、それぞれの背景や特徴、実際の応用例について詳しく解説していきます。
デザイナーやクリエイティブ業界の方々がトレンドを活かしたアイデアを生み出すヒントを提供できれば幸いです。
【目次】
トレンド1:ジェネレーティブデザイン
トレンド2:サステナブルデザイン
トレンド3:ポストミニマリズム
トレンド4:バイオフィリックデザイン
トレンド5:動的タイポグラフィ
トレンド6:レトロフューチャリズム
トレンド7:インクルーシブデザイン
まとめ
トレンド1: ジェネレーティブデザイン
2025年、AIはデザインの新しい相棒としてますます注目されています。
これまで膨大な時間がかかっていた繰り返し作業をAIがサポートしてくれるおかげで、デザイナーはよりクリエイティブな部分に集中できるようになりました。
たとえば、ロゴ案をAIが自動生成してくれるツールが普及しつつあります。
若手時代に「ロゴ案100本ノック!」なんて経験したデザイナーも多いのではないでしょうか。
今後はそのアイデア出しをAIが担ってくれます。
そんな中、「ジェネレーティブデザイン」という言葉も耳にする機会が増えています。
これは、AIが設定された条件に基づいて自動的にデザインを提案する仕組みのこと。
プロダクトデザインや建築分野では既によく使われており、2025年にはさらに応用範囲が広がると期待されています。
最近、引地 耕太さんを軸として制作された大阪・関西万博のデザインシステムが話題になっています。
このような自由度の高いデザインシステムを人間が一度構築することで、Webやフライヤー、パッケージなどあらゆる場所への展開をAIが瞬時に行える……といった方法が主流になれば、ブランディングデザイン分野はさらなる発展を遂げるでしょう。

ただし、AIはあくまでサポート役。デザイナーにしかできない「感性」や「物語を作る力」はこれからも必要不可欠です。
AIとの上手な付き合い方を見つけることが、2025年のクリエイティブ業界の鍵となりそうですね!
トレンド2: サステナブルデザイン
環境問題への意識が高まる中、2025年も「サステナブルデザイン」は欠かせないキーワードです。
デザインの現場では、「地球に優しい」を視覚化するための新しい工夫が次々と登場しています。
特に注目したいのが、「サステナビリティ」をビジュアルで表現する試みです。
SDGsの達成目標年まで5年が迫った今、ナチュラルな色味や素材感を活かしたデザインが増え、見るだけで「エコ」を感じられるようなプロダクトや広告も増えてきています。また、地元の素材や伝統技術を取り入れた地域密着型のデザインも人気です。
これにより、単に環境に優しいだけでなく、ブランドの独自性も引き立てることができます。
例えば、ユニクロやGUでは、再生紙を使ったショッピングバッグを2020年から使用したり、店内にRE.UNIQLO回収ボックスを店舗に設置したりと視覚的にわかるサステナブルデザインを取り入れることでユーザーに影響を与えています。
「この商品を選ぶことで環境に貢献できる」と感じられることが、購入の後押しにつながるケースが増えています。

トレンド3: ポストミニマリズム
「ミニマリズム」はここ数年、シンプルさと洗練を象徴するデザインスタイルとして人気を集めてきました。
しかし、2025年は「ポストミニマリズム」という新しい流れが注目されそうです。これは、ミニマリズムの「シンプルさ」を基盤としながら、そこに個性や遊び心を加えたデザインスタイルのこと。もっと人間らしさや感情を大切にした表現が求められています。
具体的には、シンプルな構成の中に豊かな質感や微妙な色のグラデーションを取り入れたり、曲線や柔らかい形状を使って温かみを演出したりするのが特徴です。
たとえば、ニューモーフィズムデザインに代表されるような、無機質な白一色ではなく、自然の色合いや素材感を活かしたデザインが増えています。
装飾は控えめでも、見る人に心地よさや癒しを与えるデザインがポイントです。


シンプルなUIの中にアニメーションやアナログチックなインタラクションを加え、ユーザーに感情的なつながりを提供する工夫も増えてきています。
トレンド4: バイオフィリックデザイン
「バイオフィリックデザイン」とは、自然とのつながりを意識したデザインのこと。自然の要素やパターンを取り入れることで、空間やプロダクトが人に癒しや安らぎを与えるのを目的としています。
たとえば、オフィスでは、観葉植物を置くだけでなく、木材や石材などの自然素材を使った家具や内装が取り入れられるケースが増えています。
働く環境がただ便利で機能的なだけでなく、心地よさやリラックス感を提供できる空間であるべきという考え方が広まっていることが背景にあるようです。
自然光を活かした照明デザインや、風や水の流れを感じられる仕組みも人気です。
デジタルデザインの分野でも、自然を意識した色合いや動きを取り入れる試みが進んでいます。
ウェブサイトやアプリで、柔らかなグリーンやアーストーンを基調にした配色や、波のような滑らかなアニメーションを使うことで、デジタルな体験にも癒しをプラスすることができます。
![出典:【公式】BOTANIST [ボタニスト] |答えはきっと自然の中にある。(https://botanistofficial.com/)](https://static.wixstatic.com/media/084ebe_0cb250f7821c46f1b50a2bc38978c8f6~mv2.png/v1/fill/w_980,h_465,al_c,q_90,usm_0.66_1.00_0.01,enc_avif,quality_auto/084ebe_0cb250f7821c46f1b50a2bc38978c8f6~mv2.png)
バイオフィリックデザインは、見る人や使う人の心に優しく寄り添う新しいスタイルとして、これからますます広がりそうです。
トレンド5: 動的タイポグラフィ
2025年、デザインの世界でますます注目されるのが「動き」を取り入れた表現です。
その中でも特に人気が高まりそうなのが、動的タイポグラフィ(動きを持った文字)です。これは、文字やグラフィックにアニメーションを加えることで、静的なデザインでは伝えきれないメッセージ性やインパクトを与える手法です。
TikTokやYoutubeをはじめとして、動画を使ったプロモーションが主流となっっている現代においては、文字は動くもの。
文字が拡大縮小したり、滑らかに回転したりすることで、ただ情報を「読む」だけでなく、視覚的な「体験」として楽しめる仕掛けが作られます。これにより、短時間で強い印象を与え、記憶に残るデザインが可能になります。

例えば、製品紹介動画やキャンペーンバナーに動きが加わると、目を引くだけでなく、ストーリー性や情報伝達力がアップします。特にSNSでは、動きのあるコンテンツの方が注目を集めやすい傾向があるため、多くのブランドがこの手法を取り入れるようになっています。
動的タイポグラフィとモーショングラフィックスは、視覚的なエンターテインメントを提供するだけでなく、ブランドやメッセージを個性的に表現する手段としてますます進化していくでしょう。
トレンド6: レトロフューチャリズム
「レトロフューチャリズム」とは、過去に想像された未来のイメージをテーマにしたデザインスタイルのことです。2025年、この懐かしさと未来志向が融合したユニークなデザインがトレンドとして注目を集めています。
レトロフューチャリズムの特徴は、たとえば1960年代や70年代のSF映画やポスターに見られるような、曲線を多用した近未来的なフォルムや大胆な色使い。そして、ビンテージ感を残しながらもモダンな技術や現代的な要素を取り入れることで、過去と未来の両方の良さを表現するのが魅力です。
実際のデザイン例としては、ポップで明るいカラーの配色や、レトロなフォント、宇宙やロボットをモチーフにしたイラストなどが挙げられます。特にファッション、グラフィックデザイン、ウェブデザインでは、こうした懐かしい未来観を感じさせる要素が急増中です。

さらに、テクノロジー分野でもレトロフューチャリズムの影響が見られます。
例えば、スマートデバイスのUIにピクセルアート風のデザインを取り入れたり、ネオンカラーを使った近未来的なビジュアル表現が人気を集めています。
トレンド7: インクルーシブデザイン
2025年、デザインの世界でますます重視されるのが「インクルーシブデザイン」です。
これは、年齢、性別、障がいの有無、文化背景など、あらゆる違いを超えて「あらゆる人にとって使いやすいデザイン」を目指す考え方です。単なる流行ではなく、社会全体で重要視される価値観として根付きつつあります。
ユニバーサルデザインの考え方と似ていますが、全ての人に共通の解決策を提示することを前提としているユニバーサルデザインとは異なり、インクルーシブデザインは、「特定のユーザーを排除しない」ことを重視するのが特徴です。
全ての人が同じ体験をすることよりも、必要に応じて調整可能な仕組みや選択肢を提供する、といった感じでしょうか。
ウェブデザインでは、視覚障がいを持つ方のためにスクリーンリーダー対応を強化したり、色覚の多様性に配慮したカラーパレットを使用したりする取り組みが進んでいます。
他にも、表示言語として多言語を取り入れるだけでなく、わかりやすいアイコンやシンプルなナビゲーションを取り入れるなど、年齢やデジタルリテラシーに関係なく誰でも直感的に使えるデザインが求められています。
例えば、iPhoneでも、多様なジェンダーや人種に配慮した絵文字が取り入れられています。

インクルーシブデザインは、人間中心のデザインの究極形とも言えるスタイルです。2025年も、多様性とアクセシビリティを重視したこの考え方が、主流になるでしょう。
まとめ
2025年、デザインの世界はテクノロジーや社会の変化とともに、新しいトレンドを生み出し続けています。
本記事で取り上げたトレンドはどれも、デザインが単なる「見た目の美しさ」を重視するものではなくなっていることを示しています
AIやジェネレーティブデザインの進化は、効率とクリエイティビティを融合させ、新しいデザインの可能性を広げます。
一方で、サステナブルデザインやバイオフィリックデザインといったテーマは、地球環境や自然との共存を重視し、社会的な責任を果たすデザインが求められていることを表しています。
また、ポストミニマリズムやレトロフューチャリズムといったスタイルは、過去の潮流を振り返ることでより感性を刺激する時代を作り出そうとしているかのように思えます。
さらに、インクルーシブデザインのように、多様な人々を包み込むデザインの考え方は、これからの時代のスタンダードになる可能性があります。
2025年以降、デザイナーには新しい技術を学びながら、社会やユーザーの多様なニーズを理解し、それに応える柔軟性が求められます。
これからもデザインは、私たちの日常をより豊かにする力を持ち続けるはずです。
未来のデザインに期待しながら、それぞれのトレンドをぜひ取り入れてみてください!